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継続は力なり。のろまな理学療法士ちひろのブログ

理学療法士が教える!心臓リハビリの基礎知識

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リハビリテーションのイメージは、整形外科の患者さんや、脳梗塞の患者さんの歩行訓練や各関節をベッド上で動かしている絵を思い浮かべると思う。心臓リハビリテーションは比較的新しい分野の一つで、あまり世間に知られていない分野で普及率も低い。しかし今最も求められる分野でもある。

ここでは心臓リハビリテーションの基礎的な知識についてお伝えしていこうと思う。


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<心臓リハビリテーションの目的って?>

心臓の手術をされた方や、心筋梗塞、狭心症などの心疾患がある方を対象に行うリハビリのこと。

心疾患がある方は心機能が低下しているので、あまり強い運動はできない。

重症度によって異なりますが、日々の生活においても寝ている時間が多く、活動度が低いことが理由で体力低下を呈している人もいる。

心疾患の再発予防や、QOLを改善することを目的とし、運動療法だけでなく、食事、服薬、禁煙、患者教育、カウンセリング(精神面のサポート)などのサポートを総合的に、そして長期的行い、社会復帰・職場復帰を目指していく。

それには、「個々の患者に合わせて、適切な強度の運動を継続すること」が重要になる。

医師、看護師、理学療法士、栄養士、社会福祉士、在宅看護チームなど、さまざまな職種が連携し、入院から退院までの約3ヶ月を目安に行う。

このリハビリテーションによって、生存率の上昇や再入院率の低下など成功例は数多くある。

 

<心臓リハビリテーション効果>

以前は心疾患がある=安静にする ということが常識だった。

現在はベッドから早期に離れて普通の生活を送らないと筋肉が落ちますよ!それに伴って体力が落ちて、再発を恐れて鬱になりやすいですよ!といったことが主流だ。

2004年にアメリカで報告された研究では、心筋梗塞を患った方を対象に「心リハをした人・してない人」に分けて6年半調査した結果、心リハ参加者は健常者と同じような生存曲線を描いていたのに対し、参加していない人の多くは心疾患を再発し、高確率で死亡していたと報告がある。

 

<心臓リハを行うと、こんなメリットが!>

 

 

・運動能力が向上し、楽に動ける

・心疾患の症状が軽減する

・精神面(不安・うつなど)が改善し、安心して生活できるようになる

・心筋梗塞などの再発、突然死のリスクが軽減する

などなど、心臓リハビリテーションを行うことでこのようなメリットがある。

そもそも心臓は筋肉でできている。その筋肉をその人ができる範囲で鍛えていかなければならない。

弱くなった心機能を高めるためには、心臓に負荷がかかる要因を取り除きながら、心臓の能力を強化していき、生活全般の改善・生活を見直す必要がある。

<心リハは、いつ・何をしていくのか?>

病状の時期(phase)によって区分される。

・急性期;phase1(入院から退院まで)

CCU(集中治療室)での治療、処置

         ↓

状態が安定したら200m歩行試験 → 病棟の廊下で歩行訓練

また身の回り動作(トイレ動作、シャワー浴、廊下歩行など)を行っていく。

心疾患の治療と共に、リハビリの負荷量を増やし、同時に生活指導、禁煙指導なども行う。

・回復期;phase2(退院後、社会復帰まで)

リハ室にて運動療法がスタート。社会復帰に向けて、積極的な運動療法を行っていく。

医師の監視の元、心電図モニターをチェックしながら歩行、自転車こぎを実施していく。

退院前には運動負荷試験(運動能力測定)や血液検査をし、医師や看護師による個人

面談で退院後の運動指導や生活指導を行う。

運動のみならず、病気の治療と予防方法や薬、食事療法、また心理的な不安要素を取り除くためにカウンセリングを行っていく。

退院後約3ヶ月間は、外来通院リハビリに週に3回ほど通う必要がある。

内容としては体操、自転車こぎなど。

通院されない日でも在宅で運動療法を実施してもらうように指導していく。

また3か月後に再度運動負荷試験と血液検査をして心臓リハビリの効果を評価し、今後の運動療法のやり方や日常生活での注意についての個人面談を行う。

・維持期;phase3(回復期以降)

3ヶ月以降は自宅、スポーツ施設での運動療法、食事療法、禁煙といった生活習慣の改善を継続していく。

 

参考文献

http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph50.html